TED
「自分の物語を変えることで人生は変わる」の要約です。
ロリ・ゴットリーブ
要約
人生は物語で形作られる
私たちは、誰もが自分の人生の信用できない語り手である。
もちろん、意図的に嘘をついているというのではない。
人々の語ることの多くは正真正銘の真実だが、その人のその時の視点で、何を強調し何を軽く見るか、何を含め何を除外するか、何を見て何を見せようとするかによって、話は偏ったものになる。
私たちはみんな、自分の人生の物語とともに生きている。物語というのは私たちが人生を 理解する方法。
私たちは、物語は状況によって形作られるものだと思っているが、実はそれとはまったく逆で、自分でどう語るかによって人生は形作られる。
それが物語の危険なところで、本人を不幸にもする。しかし、そこに力もあって、自分の物語を変えることで 自分の人生を変えることもできる。
物語を変えて、人生を変える方法とは?
多くの人の物語は、2つの主要テーマに集中している。
1つは「自由」で もう1つは「変化」。
物語を編集するときは、そこを出発点にする。
私たちは一般に、自分は大きな自由を手にしていると思っている。しかし、 目下の問題のこととなると、急に自由などまったくないように感じられる。
私たちの物語の多くは、囚われた感覚についてのものである。家族や仕事、人間関係、あるいは、過去のしがらみのせいで囚われているように感じる。
時に自虐的な物語で自らを閉じ込めていることもある。
「みんな自分よりいい人生だ」 という物語、「自分は愛されない」という物語、「自分は何もかもうまくいかない」という物語など。
私たちは、すっかり囚われているように感じ、感情的な牢獄の中で、身動きできなくなっている。本当は、鉄格子は目の前にあるだけで、横や後ろにはないのに・・・。
にもかかわらず、自由になろうと鉄格子をよく調べないのは、罠があると知っているから。自由には責任が伴い、物語の中の役割で責任を引き受けるためには、変わる必要ある。
それがもう1つのテーマである「変化」。
「私は変わりたい」とその人は言うが、本当に意味しているのは、「物語の中の他の人物に変わってほしい」ということ。
なぜ物語の中心である主人公である自分に変わってほしいと思わないのか?
それは、変化により慣れ親しんだものを喪失するから。
その慣れ親しんだものが、不快でみじめなものであっても、人物や設定や筋書きから、物語が毎回どう進むか分かっていると、私たちはほっとする。
新しい章を書くためは、真っ白なページを見つめることになる。それが怖い。
しかし、いったん自分の物語を編集したら、次の章を書くのはずっと楽になる。
私たちの文化では「自分自身を知れ」とよく言いますが、自分を知るためには、自分を忘れることも必要。自分にずっと言い聞かせてきた物語を捨てる。
どうやって物語を改訂していくのか?
まず、自分に語っているけれど。良い結果になっていない物語を考えてみる。
それは自分のことかもしれないし、自分に関わる誰かのことかもしれない。
それから他の登場人物に目を向ける。そのまずい物語を維持し続けているのに、一役買っているのは誰でしょう?
たとえば、愚かな同情をする人は、相手の物語に合わせ望んでいた昇進ができなかった友人に、「ほんとすごく不公平だ」などと言う。
たとえ、それは当人がたいした努力をせず、オフィスの備品をくすねるような奴だったとしても。
物語の良い編集者になるためには、賢明な同情(=真実)を示す必要がある。それは、友人に対してだけでなく自分に対しても。真実は、物語から除外していたものに目を向けさせる効果がある。
一人称の語りを脱却して、他の人物の視点で物語を書けたならそこから変化は始まる。
落ち込むと人は、自分の物語を歪め、視野を狭めてしまう。
孤独や心の痛み、拒絶を感じているときも同じで、すごく狭いレンズを通して、歪められた物語を作ってしまい、自分についてのフェイクニュースを流す。
時々、本当にひどい行き詰まり状態になっていて、その状態に当人が入れ込んでいることがあり、どんなに助けの手を差し伸べられても拒絶してしまう。
「うーん、それはうまくいかないよ、だって…」「うーん、無理。そんなことできない」 「うーん、友だちは欲しいけど、人間って煩わしくない?」などと。
そういう人が本当に拒絶しているのは、行き詰ったみじめな自分の物語を編集すること。
しかし、誰しもが自分について、いつか必ず書かれることになる物語がある。それは、追悼文という物語。
自分で自分の不幸を書くのではなく、生きているうちに、この物語を形作っては?と言いたい。
自分の物語の中で、被害者でなくヒーローになりましょう。人生とはどの物語に耳を傾け、どの物語を変えるか決めることなのだ。
改訂する努力はする価値がある。自分自身に言い聞かせる物語以上に、人生のクオリティを左右するものはない。
まとめ
・私たちはみんな、人生の物語とともに生きている。
・物語は状況によって形作られるものではなく、自分でどう語るかによって人生は形作られる。
・目の前の鉄格子から自由になれないのは、「変化」を恐れているから。
・他者の視点で物語を描き始めると変化が訪れる。
・人生のクオリティを上げるには、自分自身をヒーローにした物語を自分自身に言い聞かせる。
感想など
事実をしっかりと見ることなく、自分の解釈で物語を作っている場面はよくあるなあと思います。
特に以前はこの傾向が強く、「〇〇さんはきっと俺のことをこう思っている。」だから接しにくい、話しにくいとか勝手に思い込んでいましたね~^^;
どのような物語を描くかを明確にするためには、あらためて人生の目的(ライフミッション)を自分の中から見つけ出す必要があるなと感じました。
ライフミッションを見つけられてこそ、自分の物語を自分で描いていくことができます。