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「私が66歳で起業したわけ」の要約です。
ポール・トラズナー
要約
解雇からやりがいのある仕事で起業
私は、64歳だった2009年のクリスマス数日前の金曜日に、他の何人かと共に解雇されました。
40年あまりに渡って、大小様々な会社で働いてきた時代も終焉を迎えました。
しかし、私には強力な人脈と名声があり、製造と製品パッケージのエンジニアとして優れた経歴があったので、引退することは選択肢の中にありませんでした。
その後、2年ほどコンサルティングなどしていましたが、これといった意欲は生まれませんでした・・・。
それから、環境への関心が芽生え、その考えが徐々に根を下ろし始めたんです。
私は、起業することにしました。
紙・農業廃棄物・繊維くずといった廃棄物から、生物分解できる包装を設計製造して、有害な使い捨てのプラスチック包装を置き換える。
これはクリーンテクノロジーというもので、非常にやりがいを感じました。
毎年廃棄される、使い捨てプラスチック包装を数十万トンも削減しようという構想です。
私は66歳のときに初めて起業しました。
取り組むべき課題は山積みでした。
製造、外注、雇用創出 特許、パートナーシップ、資金調達・・・
5年後、毎年売り上げが2倍になっていて、負債もありません。
大口顧客も若干抱えており、特許も取りました。
立ち上げから共に働いている、素晴らしいパートナーにも恵まれています。
従事した仕事で20以上の賞を受賞しました。
とりわけ、世界のプラスチック汚染の危機に、ささやかながら影響を残せました。
私は今、やりがいや生きがいを感じる仕事をしています。
高齢者の起業家を増やす
私が5年前に切望したのは、同年代で初めて起業する人たちを探すことでした。
彼らと繋がっていたかったのです。
私にはお手本になる人が 1人もいませんでした。
私はそれをどうにかしたいし、皆さんにもどうにかして欲しいのです。
高齢になって、初めて起業する人たちのことをもっと話してもらいたい。
業界、地域、国境を越えて、そういうすべての人々と繋がることで、コミュニティを作るのです。
国政調査局によると、2050年までに、米国の高齢者は 8400万人になるとのことです。
現在のほぼ2倍です。
この8400万人のうち、初めて起業する人が何人いると思いますか?
米国の遅咲きの起業家は、新しい事業に取り組んで7割が成功します。
若い起業家の場合の成功率は、28%にまで落ち込みます。
70歳の起業家の業績は、30歳の起業家の業績と同じくらいあらゆる点で意義があり、あらゆる点で報道される価値がありませんか?
当然ありますよね。
だから、70歳以上の起業家を当たり前にしたいのです。
まとめ
・やりがいのある仕事があれば、高齢でも起業できる。
・高齢になってからの起業家のうち7割が成功する
・高齢でも起業することを当たり前にしていく。
高齢者が増える社会では必要なこと。
感想など
高齢で起業した人は、7割の人が成功しているというのが驚きでした。それまでに培ってきたスキルや人脈を活かすことや、様々な経験からの分析で、確実な起業を行うことができるからでしょうか?
アメリカも高齢者の増加が懸念されているんですね。
日本は世界一の高齢社会ですから、今後70歳までの雇用延長(起業やフリーランス契約を含む)が、法律で義務化されていくでしょう。
そうなると、年齢に関係なく起業への意識が高まっていくはずです。